愛知県県民文化局
誰かの偏見が、あなたの痛みになる。あなたの思い込みが、知らず知らずのうちに誰かを傷つけているかもしれません。
人権問題は、誰もが当事者になり得る身近な問題です。大切なのは、少し視点を変えてみること。
花に見えた絵が、見方を変えると鳥に変わる「逆さ絵」のように。私たちの意識もまた、“気づき”によって大きく変わります。
あなたの意識が、誰かの希望になる。
あなたの小さな“気づき”が、誰かを守り、未来を変える力になるかもしれません。
私たちは、生まれながらにして自由・平等であり、幸せで健康に生きる権利を持っています。
この権利は基本的人権と言われ、憲法でも保障されているように、決して侵してはならないもの。
お互いをかけがえのない存在として認め合い、
違いを尊重し合うことが、差別や不公平のない社会をつくることにつながります。
誰もが生まれながらにして平等に人権を持っています。
でも実際には、いろいろな理由で差別されたり、不当な扱いを受けたりしている人がいます。
それは出身地や社会的な身分、性別、年齢、障がいの有無など、個人の責任ではないことで人を判断していることによるもの。
誤った認識や偏った考え方を「世間がそうだから」「私には関係ない」という考えや態度で受け入れてしまうと
人権問題を解決することはできません。
情報の収集や発信、コミュニケーションの手段として便利なインターネット。しかし、名前や顔を知られずに発信することができるため、他人の悪口を言ったり、勝手に個人情報を流したりすることが現実の世界よりも起こりやすいもの。書き込まれた人が周囲から誤解されたり、精神的に深く傷ついて体調を崩したりするなどの問題が起きています。一度発信した情報は一瞬にして大勢の人に伝わり、完全に消すことが難しくなることを忘れず、相手や読み手について想像してみることが正しいインターネットの使い方につながります。
私たちは、外国人の文化や生活習慣、肌の色、言葉、宗教などの違いに対して心に壁を作ってしまうことがあります。外国人が感じている差別の例として、「外国人」という理由だけで就職やアルバイトを断られたり、アパートの入居を拒否されたりするなどがあります。また、低い賃金や悪い環境で長時間働かされることもあります。大切なのは、多様性を理解し、尊重していくこと。コミュニケーションを諦めたり、無関心でいることをやめ、外国人も日本人も同じ地域で暮らす一員として、互いに認め合い、助け合っていくことが明るい未来につながります。
かつて日本では、歴史的過程で形づくられた身分差別により、一部の人々が仕事や生活などにおいて厳しい制限を受け、特定の地域に集まって住むことが決められていました。この身分制度がなくなってからも、その地域に住む人やその地域出身であることを理由に、就職や結婚で差別を受けたり、最近では、インターネット上において悪質な書き込みをされたりするなどの問題も起きています。私たち一人一人が、部落差別の問題を正しく理解することが大切です。
セクシュアリティを構成する要素には、「生まれたときの身体の性」「自分が認識する性」「好きになる性」「表現する性」があり、一人一人の性のあり方は多様です。正しい知識を身に付ける、「らしさ」「性」を決めつけないなど、性の多様性への理解を深め、ありのままの相手を受け止めることで、自分らしさを大切にできる社会をつくりあげていくことができます。
視点を変えることで、新たに見えてくるものがあります。
一人一人の小さな“気づき”が関心を生み、
理解し、そして行動することで、差別や偏見のない、互いの個性を認め合える社会への第一歩となります。
私たちは、そんな“気づき”を広げることで、多様性が認められ、誰もが尊重される社会の実現を目指します。